因果応報とは
「因」=原因(自分の行い・言葉・心)
「果」=結果(後で自分に返って来るもの)
よい行いをすればよい結果が返り、わるい行いをすればわるい結果になるという考えです。
自分が生み出したものが、必ず自分に帰ってくるということ。
でも…
「ずっと誠実に生きていても報われない」
「悪いことをして得している人がいて不公平に感じる」
と思ったことありませんか?「理不尽だな」って感じる時ありますよね。
しかし「行い」は1つの人生だけで成り立っているものではないとのことです。
自分に返っていないように見えても、次の世代に受け繋がっている。
目に見えない形で必ず働いている。
良くも悪くも、人に与えたものは形を変えて返って来るのです。
よい行い・わるい行い
「行い」は目に見えなくても、確実に心に刻まれます。
どんな行いを積み重ねるかが、人生を大きく左右するのです。
よい行い(親切、誠実、感謝)→心が整い、穏やかに過ごせる
わるい行い(不正、騙し、自己中)→心が汚れ、不安や焦りが生まれる
また、行いは広がり、巡り巡って自分に返ってきます。
よい行い→すぐ報われなくても、必ず自分の人生を豊かにする
わるい行い→一時的に成功に見えても、必ず自分を苦しめることになる
そして、周りに与える影響も小さくありません。
よい行い→信頼が生まれる
わるい行い→軽蔑が生まれる
「三密行」
空海は「三密」を整えることで悟りに近づくと説きました
①身(行動)を整える→人に優しくする
②口(言葉)を整える→温かい言葉を使う
③意(心)を整える→穏やかに過ごす
心が正しければ、言葉も行動も自然と良くなる。わるい言葉を使うと、心が乱れ、雑な行動になる。
「三密」を繰り返すことで、自然と人生が整っていき、仏のような生き方ができるとのこと。
3つの布施
空海は、「3つの布施」があるとし、純粋な善業、見返りの求めない善意が、強い因果を生み、巡り巡って自分に返ると説きました
①財施→必要な人にものやお金をあげる
②法施→必要な人に知識を教える
③無畏施→必要な人に励ましや安心を与える
「布施」はただの「人助け」ではなく、自分自身の「魂を磨く行い」になり、心が綺麗になり仏のような生き方ができるとのこと。
「悪い感情を手放す」
空海は、「悪い感情(怒り・憎しみ・妬み・欲)を手放すことが、心の修行の第一歩」だと説きました
①心に任せて身を損ずることなかれ
→感情に流されると、人生を損ない自分が傷つく
②仏とつながることは心を綺麗にする
→心を整えることがとても大切
③怒りを変える
→悪い感情(怒りや欲)は、コントロールすればよいエネルギーになる
同じ出来事でも、「感謝の心」で受け止めれば福となり、「怒りの心」でとらえれば災いとなる。
心の持ち方次第で行いも決まり、人生の意味も変わるとのこと。
まとめ
空海が説いた「因果応報」の考え方では、思いやりや優しさに満ちた心・言葉・行動を日々積み重ねることで、巡り巡って自分の幸せにつながると教えています。
たとえ不公平さや周囲の不正を感じることがあっても、「今」を丁寧に、正しく生き、善い行いを続けることによって、心穏やかで安定した日々が送れるようになります。
そして、その積み重ねが自分自身のみならず、周囲の人々もより良い未来へと導いてくれる。
いかがでしたでしょうか。空海のこの教えは、現代社会においても変わらぬ生き方の知恵といえるでしょう。
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